次の五輪はどこ?2026ミラノから未来の開催地一覧と選定の舞台裏
2024年のパリ大会が熱狂と賛否の渦の中で幕を閉じた後、スポーツ界の視線は早くも「次のオリンピック開催地」へと注がれています。2026年を迎え、イタリア北部の銀嶺を舞台とする冬季大会が開幕し、さらにその先にはアメリカ・ロサンゼルス、オーストラリア・ブリスベンなど、2030年代に向けた一大ロードマップが既に敷かれています。
しかし、きらびやかな祝祭の裏側で、国際オリンピック委員会(IOC)が進める「開催都市の選定方式」は劇的な変貌を遂げました。かつてのような派手な招致合戦は影を潜め、水面下の対話によって候補地が一本化される新たな力学が働いています。その過程では、かつて熱烈なラブコールを送りながらも撤退を余儀なくされた「札幌五輪招致断念の経緯」に象徴されるように、巨額のコスト負担や世論の反発といったシビアな現実が横たわっています。IOC公式発表や現地報道の最新データを精査し、歴代の変遷から未来の開催都市、そして招致を巡る構造的な光と影を徹底的に解き明かします。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:2026年冬季はイタリアのミラノ・コルティナ、2028年夏季は米国ロサンゼルスで開催され、2030年フランス・アルプス、2032年ブリスベン、2034年ソルトレークシティーまで公式決定済み。
- 要点2:かつての総会決選投票から「将来開催地委員会」との事前対話方式へ移行し、買収リスク排除と巨額招致費用の削減が進む一方、選定プロセスの密室化という批判も根強い。
- 要点3:東京2020大会の汚職問題やインフレに伴う経費膨張が痛打となり、札幌市が招致から完全撤退した現在、日本国内での五輪再開催は2030年代後半以降も含めて極めて慎重な議論が求められている。
【2026年最新】歴代から未来へ!オリンピック開催地一覧と今後の公式スケジュール
近代オリンピックは1896年のアテネ大会から始まり、戦争による中止(1916年ベルリン、1940年東京・札幌、1944年ロンドンなど)を乗り越えながら、世界最大のスポーツイベントとして膨張を続けてきました。日本国内でも1964年東京、1972年札幌、1998年長野、そして記憶に新しい2021年東京(2020年大会)と、4度の感動と教訓を刻んでいます。
現在確定している今後の大会スケジュールを概観すると、IOCが推進する改革指針「アジェンダ2020」に基づき、既存インフラの徹底活用を掲げる大都市やウィンタースポーツの伝統国が名を連ねています。歴代大会の教訓と今後の開催予定地を比較検証した公式データは以下の通りです。
| 項目 | 詳細・数値データ | 一般的な基準・相場 | 編集部の見解・評価 |
|---|---|---|---|
| 2026冬季五輪 ミラノ・コルティナ(伊) | 既存・仮設施設利用率:93% 分散エリア:ロンバルディア州・ヴェネト州など広域22,000㎢ | 過去の冬季五輪施設新設率:30〜50%前後 | 歴史的な広域分散型。ボブスレー競技場再建を巡る混乱など、環境保護と経費削減の狭間で揺れた象徴的モデル。 |
| 2028夏季五輪 ロサンゼルス(米) | 常設競技場の新設:0件(100%既存・仮設) 民間資金主体予算:約68億ドル超 | 従来の夏季五輪公費負担割合:40〜70% | 1984年の黒字化神話「ロス方式」の再来を狙う。巨額放映権と民間協賛を柱に税金投入を極小化する試金石。 |
| 2030冬季五輪 フランス・アルプス(仏) | ニース(氷上)からサヴォワ地方(雪上)を結ぶ広域開催 国家財政保証書提出が条件付き承認 | 通常は正式決定時に国交・財政保証が完全締結 | 気候変動による雪不足リスクに直面。政局混乱に伴う財政保証遅延など、政治的綱渡りを経た決定。 |
| 2032夏季五輪 ブリスベン(豪) | 新選定方式の第1号案件(2021年総会決定) インフラ整備総額見通し:約70億豪ドル規模 | 従来は開催7年前に選考投票を実施 | 開催11年前に事実上一本化された異例のスピード選考。スタジアム再建計画を巡り地元世論が二分する波乱も。 |
| 2034冬季五輪 ソルトレークシティー(米) | 2002年大会施設の100%再活用 地元支持率:80%超(招致時世論調査) | 先進国での五輪支持率平均:40〜55% | 盤石のインフラと圧倒的住民支持が決定打。2030年との異例の2大会同時決定(ダブルアロケーション)を享受。 |

次のオリンピック開催地は一体どこ?2026ミラノから2028ロサンゼルスへのロードマップ
現在、最も身近に迫っているメガイベントが2026冬季オリンピック開催地であるイタリアのミラノ・コルティナダンペッツォ大会です。ファッションと経済の中心地ミラノでの氷上競技と、ドロミテ渓谷の名峰コルティナを中心とする雪上競技が組み合わされた、史上最大の広域分散型サーカスとなります。
現地取材班が目撃したのは、徹底したサステナビリティ(持続可能性)の理想と、過酷なインフラ工事の現実の激突でした。歴史あるコルティナのボブスレー競技場「エウジェニオ・モンティ」を巡っては、巨額の改修費用と自然破壊への懸念から一度はオーストリアやスイスなど近隣国での代替開催が模索されました。しかし、イタリア政府の威信をかけた介入により国内再建へと軌道修正されるなど、開幕直前まで現場は綱渡りの調整を強いられました。既存施設を活用する美名のもとでも、分散開催に伴うアスリートの移動負荷や警備体制の複雑化は、今後の冬季五輪が抱え続ける構造的な宿題です。
そして、2028年夏に控えるのが2028年ロサンゼルスオリンピック(LA28)です。1932年、1984年に続く同一都市3回目の開催となる今大会は、五輪ビジネスのゲームチェンジャーとして設計されています。巨額のスタジアム新設を行わず、NFLロサンゼルス・ラムズの本拠地「SoFiスタジアム」や名門UCLAの学生寮を選手村として活用することで、設備投資を極限まで圧縮。さらに、野球・ソフトボールの復帰やフラッグフットボール、スカッシュ、クリケットの追加採用など、北米および巨大な英連邦市場を意識したエンターテインメント重視のプログラムが導入されます。
選定を巡る意外な経緯と噂の真相|オリンピック開催都市の決め方はどう変わったのか?
一般のスポーツファンが抱く最大の疑問の一つが、「以前のように、招致都市が総会でプレゼンを行い、決選投票で劇的に開催地が決まる熱狂がなぜ消えたのか?」という点です。その答えは、オリンピック開催都市の決め方の抜本的ルール改定にあります。
かつての選考システムは、開催7年前に全IOC委員による無記名投票で決定されていました。しかし、この方式は招致委員会による委員への過剰な接待や贈収賄スキャンダル(1998年長野五輪招致時の帳簿焼却問題や、2016年リオ、2020年東京を巡る汚職捜査など)を構造的に生み出す温床となっていました。さらに、招致合戦に敗れた都市が何十億円もの準備資金を水泡に帰す「招致疲れ」が先進国で蔓延し、立候補都市そのものが激減するという危機的状況に陥ったのです。
事態を打開すべく、IOCは2019年に規約を改定。従来の「立候補都市による直接対決」を全廃し、専門組織である「将来開催地委員会」が関心を持つ都市と非公開で水面下の対話(継続的対話・対象対話)を重ねる方式へと舵を切りました。そして、適格と判断された単一都市のみを理事会が総会に諮り、事実上の信任投票にかけるという「一本化プロセス」が確立されたのです。
この新方式の象徴が、2032年ブリスベンオリンピックの電撃決定でした。当時、オーストラリアのジョン・コーツIOC副会長(当時)の強い政治的影響力のもと、他候補が名乗りを上げる間もなくブリスベンが「最優先候補」に指定され、2021年総会でスピード承認されました。この舞台裏に対し、欧州メディアや招致に関心を示していたカタール、ドイツなどの関係者からは「透明性を欠いた密室政治だ」「内輪の都合で決まった」という厳しい批判と噂が飛び交いました。IOC公式発表では「コスト削減と確実性の追求」が強調されたものの、民主的な競争原理を排除したプロセスへの猜疑心は今なお払拭されていません。
さらに、2030年冬季オリンピック開催地(フランス・アルプス)と2034年ソルトレークシティーの同時選定(ダブルアロケーション)も、地球温暖化によって冬季五輪を開催可能な降雪都市が激減しているというIOCの強烈な焦燥感が生んだウルトラCでした。「選べるうちに、確実な先進国を押さえておく」というIOCの防衛本能が、選定プロセスの前倒しを加速させています。

札幌五輪招致断念の経緯と現場の葛藤|なぜ日本開催の灯は消えかけたのか?
新選定方式の波に最も残酷な形で呑み込まれ、自滅していったのが日本の札幌市でした。1972年大会から半世紀以上の時を経て、2030年大会での「雪辱の冬季招致」を掲げていた札幌の野望は、なぜ完全に潰えたのでしょうか。その真相には、単なる財政問題を超えた、日本社会の根深い不信構造が存在します。
直接的な引き金となったのは、東京2020オリンピック・パラリンピックを巡る大会組織委員会元理事への贈託収賄事件と、大手広告代理店・イベント会社による大規模談合事件の表面化です。東京地検特捜部の捜査によって、華やかな祝祭の裏側で繰り広げられていた利権の分配構造が白日の下に晒されました。当時、招致推進派の旗振り役だった秋元克広札幌市長やJOC幹部は「公正な運営体制の再構築」を訴え、市民説明会を重ねました。しかし、報道各社が実施した世論調査では、市民の反対・慎重論が6割超に達し、推進派の集会では怒号が飛び交うなど現場の亀裂は修復不能なレベルに達していました。
公の場で苦渋の表情を浮かべた関係者の手記や当時の会見録には、市民から浴びせられた「物価高や除雪費不足に苦しむ中で、なぜ何千億円もかかる五輪なのか」「東京大会の不透明な巨額赤字の総括もなしに納得できるはずがない」という生々しい叫びが記録されています。折しも世界的な資材高騰と円安が直撃し、当初見込んでいた施設改修予算は際限なく膨張するリスクを抱えていました。
2023年秋、IOCが2030年フランス、2034年ソルトレークシティーを事実上の優先候補に内定したことを受け、札幌市は2030年の招致を正式に断念。さらに2034年以降の可能性も模索したものの、世論の強い反発を前に、2023年12月には招致活動そのものの「白紙撤退(停止)」を宣言せざるを得なくなりました。かつてアジア初の冬季五輪を成功させた誇り高き雪の都は、大会利権への不信と財政不安という重い現実の前に、静かに幕を引いたのです。
【実態検証】巨額赤字か地域活性化か?開催都市が直面する過酷な現実と市民の生の声
ネット上の掲示板やSNSでは、「五輪は都市を滅ぼす金食い虫なのか、それとも歴史的遺産を残す投資なのか」という二極化した論争が絶えません。実際の開催現場から漏れ聞こえるリアルな声とデータを照らし合わせると、その実態は「都市経営の成熟度」によって残酷なまでに明暗が分かれています。
2024年のパリ大会を振り返っても、市内中心部での競技開催によって観光客の消費総額は跳ね上がった一方、セーヌ川の水質浄化事業に投じられた約14億ユーロ(約2,300億円超)という巨額公費に対しては、地元納税者から「日常の公共サービスを犠牲にした無謀な見栄だ」という痛烈な批判がSNSを中心に噴出しました。大会期間中の地下鉄運賃の一時的値上げや厳戒態勢に伴う交通遮断は、一般市民の日常生活を激しく圧迫し、「富裕層と外国人観光客のためのメガイベント」という階層分断を浮き彫りにしました。
オックスフォード大学の研究チームが発表した五輪コスト追跡調査によれば、1960年以降のほぼすべての五輪で最終経費が当初予算を超過しており、その平均予算超過率は170%超に達します。新設した巨大スタジアムが大会後に活用されず、維持管理費だけで毎年数億円の赤字を垂れ流す「ホワイトエレファント(白い象=無用の長物)」化する現象は、アテネ(2004)やリオデジャネイロ(2016)だけでなく、日本国内の過去の施設でも深刻な問題として引き継がれています。
市民の生の声として顕著なのは、「テレビで見ている分には最高に感動するが、自分の街の税金を使って招致するのは金輪際ご免だ」という冷ややかな本音です。この心理的乖離こそが、先進国における五輪招致への最大の逆風となっています。

【プロの結論】五輪ビジネスの構造変化から読み解く「開催都市の明暗を分ける条件」
スポーツ社会学および都市開発の視点から今後のメガイベント市場を総括すると、オリンピックはもはや「都市の知名度を上げて発展途上から脱却するための起爆剤」として機能する時代を完全に終えました。これからの時代において、五輪を開催して成功を収める都市と、破綻の淵に沈む都市には、明確な境界線が存在します。
プロの分析に基づく、五輪開催に「向いている都市」と「絶対に避けるべき都市」の判断基準は以下の通りです。
✅ 開催に向いている都市の絶対条件
- 既存インフラの充足率が90%以上:ロサンゼルス(2028)やソルトレークシティー(2034)のように、主要プロスポーツの本拠地や既存の大学施設をそのまま選手村・競技場として即座に転用できる成熟都市。
- 民間資金による独立採算が成立する市場規模:巨額の放映権料やグローバルスポンサー契約、国内チケッティング収入で運営費を完全回収でき、公費(税金)をインフラ新設に投入しない財務モデルが確立されていること。
- 気候変動に対する数十年のレジリエンス(耐久力):特に冬季大会の場合、標高や緯度において2040年代以降も安定した天然降雪と気温が科学的に保証されていること。
❌ 開催を避けるべき(慎重になるべき)都市の危険サイン
- 「五輪を口実にしたインフラ再開発」を目論む都市:新幹線、空港、高速道路、巨大メインスタジアムなどを大会に合わせて一気に整備しようとする計画は、昨今の世界的な建設資材高騰と人手不足のもとでは100%予算破綻を招きます。
- 政治・組織委の透明性が担保できないガバナンス不全:意思決定プロセスがブラックボックス化し、特定の広告代理店や政財界の重鎮によるトップダウンで物事が進む地域は、必ず不正汚職と世論の猛反発を招きます。
- 市民合意の形成を住民投票なしで強行する姿勢:住民の過半数が反対しているメガイベントを強行することは、大会後の地域社会に深刻な分断と政治的不信を長期にわたって残します。
この選定基準に照らせば、人口減少と少子高齢化、そして社会保障費の増大に直面する現在の日本社会において、短期間のお祭りのために数百億〜数千億円規模の公費リスクを冒す招致活動は、極めて危険な賭けであると言わざるを得ません。今後のオリンピック日本開催の可能性があるとすれば、それは「既存の首都圏施設や関西圏のインフラを限界までシェアし、一切の新規箱モノを造らない広域合同開催」というパラダイムシフトを受け入れた時に初めて現実味を帯びるはずです。
【オリンピック 開催 地】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:次の夏季オリンピックと冬季オリンピックは、それぞれいつどこで開催されますか?
A1:冬季大会は2026年にイタリアのミラノ・コルティナダンペッツォで開催され、夏季大会は2028年にアメリカのロサンゼルスで開催されます。その後の冬季は2030年フランス・アルプス、2034年米国ソルトレークシティー、夏季は2032年オーストラリア・ブリスベンまで公式に決定しています。
Q2:オリンピック開催地の決め方は昔とどう変わったのですか?なぜ一騎打ちの投票がなくなったのですか?
A2:IOCの改革「アジェンダ2020」に基づき、従来の「開催7年前に委員全員の無記名投票で争う招致合戦」は廃止されました。現在は専門組織「将来開催地委員会」が候補都市と水面下で協議・審査を重ね、最適と見なされた単一都市のみを総会に提案して信任を得る「対話・一本化方式」に変更されています。これは招致活動に伴う巨額の費用浪費や買収汚職を防ぐ目的で導入されました。
Q3:札幌が招致を断念した後、日本で再びオリンピックが開催される可能性はありますか?
A3:直近での実現可能性は極めて低いのが現状です。東京2020大会を巡る汚職・談合事件による国民的不信感が根強く、札幌市も招致活動を完全停止しました。冬季は2034年まで埋まっており、夏季も2036年以降は中東(サウジアラビア、カタールなど)やインド、欧州勢が名乗りを上げています。もし日本開催が再浮上するとしても、世論の信頼回復と財政負担ゼロに近い運営モデルが構築されない限り、2030年代後半から2040年代以降の長期的な課題となります。
まとめ:今後の動向と失敗しないための判断基準
2026年ミラノ・コルティナから始まる新たな五輪サイクルは、これまでの「成長と拡大の祭典」から「既存インフラの維持と持続可能性の証明」へと、その存在意義を根底から転換させようとしています。かつての派手な招致レースが終焉を告げ、IOCによる慎重な一本化選定へと移行した背景には、地球環境の危機と開催都市の財政破綻という差し迫った現実がありました。
札幌市の招致断念という苦い教訓は、メガスポーツイベントが「感動」という美名だけではもはや市民を動かせない時代に入ったことを如実に示しています。今後の開催地選定を見守る上で私たちが注視すべきは、派手な演出やメダル争いだけでなく、大会後に遺されるインフラが真に住民の生活を豊かにするのか、あるいは重荷となるのかという冷徹な収支決算です。五輪という巨大な鏡に映し出される世界の都市の挑戦と葛藤を、私たちは冷静な視座で見極めていく必要があります。 (出典: オリンピック 開催 地(Yahoo!ニュース))